1.9 品質管理


国際石油メジャーでは、海洋油田・ガス田の開発に使われるジャケットや海洋プラットフォーム等の修復工事の難しい個所、スプラッシゾーン及びプラットフォームの最下段の鋼構造物をプロジェクトライフ40年間、メンテナンスフリーにする為にアルミ溶射防食皮膜が工事発注者の仕様書に規定されている。現在、プラットフォーム一基当たりの溶射面積は20,000㎡程度だが、溶射単価が下がるにつれプラットフォーム全体のメンテナンスフリー化が現在進行中である。近い将来、溶射面積は100,000㎡を超えるものと思われる。我が国の道路、鉄道、港湾等の鋼構造物の防食も同様の進展が予想される。我が国で溶射防食皮膜の普及を阻害している最大の原因は施工時の不適切な品質管理に起因する皮膜寿命の短縮である。国際石油メジャーでは、防食溶射皮膜の防食性能及び耐久性を担保する為、工事開始前からその終了までの期間、工事の中断、不良工事のやり直し等を命令できる強い権限を持った発注側検査員を施工現場に派遣し、発注仕様書の規定を誠実に守らせている。請求書には発注側検査員作成の品質承認書(又は証明書)の添付が義務付けられている。従来塗装の慣行を打破し、溶射防食皮膜の能力を最大限引き出すためには、同様の品質管理システムが求められる。