1.0 高速アーク溶射


我が国のインフラは高度経済成長期に集中的に整備されており、それらの社会資本が今後一斉に老朽化することが懸念されています。インフラ老朽化対策に関し、関係省庁連絡会議を設置し、インフラの長寿命化基本計画(H25.11)を取り纏めた。100年寿命の鋼鉄製橋梁の建設及び、維持工事等は現在、実行段階にあります。

国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画)

平成26年5月、国土交通大臣を議長とする「社会資本の老朽化対策会議」において、「国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画)」をとりまとめました。

また、令和3年6月にこれまでの取組状況等を踏まえ、「持続可能なインフラメンテナンス」の実現に向け、今後、推進していくべき取組等をまとめた、第2次の「国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画)」(計画期間:令和3年度から令和7年度まで)を策定しました。 これに基づき、新設から撤去までの、いわゆるライフサイクルの延長のための対策という狭義の長寿命化の取組に留まらず、更新を含め、将来にわたって必要なインフラの機能を発揮し続けるための取組を実行することにより、これまで進めてきたメンテナンスサイクルの構築と継続的な発展につなげてまいります。

  1. 当社が開発した高速アーク溶射工法に従ってアルミを鉄構造物の表面に溶射して防錆皮膜を貼り付ける技術です。
  2. 鉄構造物の経済的観点から耐用年数60年、維持管理の分野では40年のメンテナンスフリーの期間が必要です。
  3. 防錆皮膜による耐久性能はその膜厚に比例して厚くなればなるほど良くなります
  4. アルミニウム溶射は上記2.の要求を満たすためには膜厚は250~375µが必要です。
  5. 溶射ワイヤー口径2.4mm・膜厚300µで時間当たりの溶射面積6m2を目標とします。
  6. 寿命100年の鉄鋼製橋梁も造れます。
  7. 膜厚375μmのアルミ溶射と封孔処理層の適切なメンテナンスが100年寿命を可能にします。
  8. アルミ溶射を安価で実現するには高速アーク溶射工法が適しています。
  9. この分野で、現在最も多く使われている重防食塗装 (鋼道路橋塗装標準C-5仕様) は紫外線に暴露される部分が劣化するので通常30年毎に総塗り替えが必要になるので経済的観点からも高速アーク溶射工法が優れています。
  10. 以下の文章の初期コスト等は、NETISEに高速アーク溶射工法を登録した時点(2014年)の値です。高速アーク溶射工法での初期コストは、8,738円/m2で、重防食塗装の8,020円/m2に比べ幾分高いが、作業時間が短く、手離れが良いことを勘案すれば、総合した鋼構造物の初期コストは同等か安くなります。本工法の溶射皮膜の期待耐久性は100年以上であり全面的更新の必要が無いが封孔処理材は紫外線等に暴露される部分が劣化するので通常30年毎に補修が必要です。一方、従来技術の防食樹脂の耐久性は30年程度で30年毎に全面的な塗替えが必要とされます。LCCの比較では、90年後の高速アーク溶射工法の累積費用は 10,688円/m2ですが、重防食塗装では 41,686円/m2となります。

TSA アーク溶射工法

アルミ亜鉛擬似合金溶射工事

土砂圧送バージ船建造

施工地: 長崎県三浦造船所

工期: 1996 年

溶射面積:400㎡

なぜこの技術が必要なのか

鉄資源を大切に使う社会の実現


日本国内で使用され何らかの形で国内に存在している鉄は13億トンと言われている。鉄を主材料とする橋梁・建物・港湾設備・車両・船舶・機械は10年から60年でスクラップになっている。
鉄製品の平均寿命を次のように考えるとスクラップ化する鉄の量は平均寿命を30年とすれば年間4,300万トン、それを60年に伸ばすと年間2,150万トンになる。これは長寿命化に依って鉄の消費を年間2,150万トン削減できることを示唆している。
大幅な鉄資源の消費削減がもたらす効果
2,150万トン分の新たな施設建設・鉄製品製作を削減でき、産業コスト低減に寄与する。国際競争力を強化できる。

また、鉄の生産は、トン当たり2トンの温室効果ガスを発生するので、温室効果ガス排出量を4,300万トン削減できる。 国際公約を実現でき、国際信用力の強化につながる。